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住宅ローン借りれる金額と安心して返せる金額

住宅購入でローンを利用するときに頭に入れておきたいのは「借りれる金額」と「返せる金額」は異なるということです。借りれる金額というのは銀行等が貸してくれる金額、返せる金額というのはあなたの家計が無理なく住宅ローンを返済できる金額を意味します。
なぜ、この両者が異なるのかを考えていきましょう。

 

住宅販売営業のローンアドバイス

住宅ローンは誰に相談すべき?(2011年12月)」でも説明していますが、住宅ローンについて相談する場合、多くの方はハウスメーカーなどの住宅販売会社の営業マンを利用する場合が多いそうです。

しかしながら、住宅販売営業の目的は「住宅販売」であり、その人が将来ローンを返済できるか、途中で失敗するかは関係ないのです。そんな人からアドバイスは「多少危険でもローンが通るならローンを勧める」のが当然のスタンスとなるはずです。

 

借りれる金額っていくらくらい?

住宅ローンとして借りることができる金額というのは、一般的に「返済比率」という方法が使われます。これは住宅ローンの返済額が年収に占める割合となっています。

たとえば、年収500万円(税込)の方で年間のローン返済額が100万円という場合の返済比率は100万円÷500万円=0.2(20%)となります。

仮に返済比率を30%とすると、借りることができる金額は年収とローン金利から逆算することが可能です。
返済期間を35年、元利均等返済、ローン金利を0.95%とすると約4400万円が借りることができる金額となります。この場合の月々の返済額は約12.3万円となります。

一般的に、借りられる金額を見積もろうとするとこんな感じになります。おそらくハウスメーカーなどで住宅ローンの借りれる金額をシミュレーションするとこんな感じの結果になるかと思います。

銀行などのホームページでも同じように年収から借りれる金額をシミュレーションするといった機能もありますが、似たような水準になります。

でも、これって実は相当リスクが高い計算がされているわけです。それは下記の2つの要素が計算されていないからです。

  1. 諸費用等を考慮するとかなりの家計負担となる
  2. 金利上昇時のリスクが考慮されていない

 

諸費用等を考慮するとかなりの家計負担となる

まず、返済比率が30%という水準は税込年収にたいするものです。一般に手取りはその7割程度ですので、500×0.7=350万円が手取りとなるわけです。
その中から12万円の返済なので、手取りの34%がローン返済額となるわけです。

また、「今の家賃とローン返済額の比較は正しいか?」でも説明していますが、これ以外にも、保険料、修繕費、管理費、税金(都市計画税、固定資産税)などがかかるわけです。
(参考:住宅ローンとマイホーム購入・維持の諸費用

住宅ローンの返済額にはこうした諸費用などは含まれていないわけで、実際の返済+諸費用や税金の負担となるとかなりの金額になってしまします。

そうなってきたときに本当に家計的に大丈夫ですか?

 

金利上昇時のリスクが考慮されていない

また、先ほどのシミュレーションの大きな問題点は「金利が変動金利という安い金利で計算されている」ということです。

2013年3月現在、住宅ローン金利はかつてないほど低い金利となっています。しかしながら、将来金利が上昇することがあれば、変動金利タイプのローンの場合は一気に返済額が上昇するリスクがあります。

金利の種類と特徴については「住宅ローン金利の種類比較」もご参照ください。

たとえば、3年後に金利が仮に3%にまで上昇した月々の返済額はそれまでの12.3万円から16.6万円にまで大きく上昇します。このようなリスクが考慮されていません。

個人的にはこのような長期ローンの借りれる金額を計算するなら金利リスクのない固定金利をベースにした方法で計算するべきだと思います。
先ほどの例で、現在の35年固定金利(2.0%)で再計算すると借りれる金額は約3700万円となります。

 

年収別の住宅ローン限度額を考え直そう(返せる金額)

じゃあ、本当の返せる金額ってどうやって見積もるのか?ということになりますが、私は家計の余力を知る、その上で保守的な見積もりをすることという二つの方法をお勧めしています。

毎月の家計余裕はどのくらいあるのか?

一番大きなポイントはこれです。今の段階でどの程度の頭金を貯めることができたのか?ということもローン管理において重要な要素となります。

その際に大切な概念が「フリーキャッシュフロー」というもの。
会計用語ですが、個人の家計にあてはめると、「収入から現在の支出を引いた残りのお金」を指します。

手取り収入30万円で家賃を含むすべての費用が25万円とすれば、フリーキャッシュフローは5万円ということになります。この5万円が現時点における家計の余裕度ということになります。

もしも、いまのところ貯蓄がほとんどないというような状況であるのならば、仮に高収入であったとしても住宅ローンを組む際は後述する「保守的な見積もりを使用」で書いたような見積もりで借りることをお勧めします。

一方で、実はかなり節約していて家計的に余裕がある。頭金も物件価格の2割は貯めているというような家計は、比較的リスクを取った借り入れをしても問題ないかもしれません。

 

保守的な見積もりを使用

年収別の住宅ローン借入限度額」でも説明していますが、手取り年収に対する返済額を25%以下とすることをお勧めしています。
税込年収ではなく、実際に受け取っているお金(手取り)の25%以内とすることで、税金等の諸費用を考慮しても支払いの余裕度が高まります。

下記は、物件代金-(頭金-諸費用)=ローン金額として、金利3%で35年返済とした場合で年間返済額が手取り年収の25%となるように設計した際の年収を見積もったものです。

住宅ローンの総額
1年間の返済額
25%ラインの為に必要な年収
2000万円
923,640円
370万円(529万円)
3000万円
1,385,460円
555万円(793万円)
4000万円
1,847,280円
739万円(1056万円)
5000万円
2,309,100円
924万円(1320万円)

この計算方法によって計算されるのが年収別で考える安全なローン借入額となります。先ほどの年収500万円相当なら2000万円くらいのローンが安全ということですね。

 

まとめ

家計についての不安があるなら、一度FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談をしてみるのも手です。相談料などはかかりますが、あなたの家計チェックや将来のライフイベントなどに沿って、どのくらいの住宅ローンなら安心して返済できるのかなどをアドバイスしてくれるはずです。

住宅購入という人生でも最大級に高い買い物において、住宅販売にバイアスがかかっている営業マンのいうことだけを聞くというのは極めてリスキーだと思います。
特に、余裕のない住宅ローンを組まざるを得ないという場合では、ぜひFPなどの独立した第三者のプロのアドバイスを受けるというのも大切なことだと思います。

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