コラム金利・経済公開日

変動金利で元金の減りが遅い。「未払利息」が出ているの?

執筆:住宅ローン比較.com 編集部 / 情報確認:2026-10-15

この読み物のポイント

元金返済が減っただけで未払利息とは限りません。利息を払えているか、残元金と次の見直し日を返済予定表で確認しましょう。

残高3,000万円・月10万円の最初の返済の仮定。年1.00%では利息25,000円と元金75,000円、年1.25%では利息31,250円と元金68,750円。どちらも未払利息0円。

元金の減りが遅くなっただけで、未払利息が出たとは限りません。変動金利で返済額が据え置かれている間に金利が上がると、同じ返済額のうち利息に回る分が増え、元金に回る分が減ることがあります。まず返済予定表の「利息」「元金」「未払利息」の欄を確認してください。引落額だけでは、ローン残高の減り方まで分かりません。

「元金が減りにくい」と「利息を払いきれない」は別の状態

返済額の中から、その月の利息を払い、残りを元金の返済に回せていれば、金利上昇前より元金の減りが遅くても、その月の利息は払えています。一方、その月の利息が返済額を上回り、払いきれない部分が残ると、未払利息が発生します。auじぶん銀行も、変動金利・元利均等返済の未払利息について、計算された返済利息が返済額を上回る場合の差額と案内しています。

三菱UFJ銀行は、変動金利・元利均等返済の5年ルールでは返済額の見直しまで金額を据え置く一方、金利が変われば元金と利息の内訳は変わると説明しています。同銀行でも元金均等返済は5年・125%ルールの対象外です。金利が変わる日と、毎月の返済額が変わる日は同じとは限りません。対象になる返済方法や起算日は、自分の契約で確かめましょう。

残高3,000万円・月10万円なら、利息が増えた分だけ元金返済が減る

残高3,000万円で、借入金利が年1.00%なら最初の1か月の利息は25,000円、年1.25%なら31,250円です。月10万円を払うと、元金に回るのは75,000円と68,750円です。年1.25%の場合は元金返済が6,250円少なくなりますが、利息31,250円は月10万円の中で全額払えています。

試算条件:残高3,000万円、借入金利年1.00%または年1.25%、毎月返済10万円はいずれも仮定。返済額の見直しまで12か月以上あり、各金利と月額が12か月続くものとします。利息は返済前残高×年利÷12、ボーナス返済・繰上返済・手数料・延滞・開始時の未払利息はなし。計算途中の端数は保持し、表示は円単位に四捨五入しています。実際の利息計算や端数処理は契約で異なります。

表は横にスクロールして確認できます。

最初の1回に払う10万円の内訳(仮定)
借入金利返済額利息元金返済その月の未払利息
年1.00%100,000円25,000円75,000円0円
年1.25%100,000円31,250円68,750円0円

「元金が6,250円減りにくくなった」ことを、そのまま「未払利息6,250円が積み上がった」と読み替えないでください。この差は、同じ返済額の中で利息へ多く払ったことによるものです。銀行の表示で未払利息の有無が分からなければ、金額と扱いを問い合わせましょう。

12か月で120万円払っても、返済後の残高に約7.4万円の差がつく

上の条件が12か月続く場合、どちらも家計から出るお金は120万円です。それでも、年1.25%の場合は利息への支払いが多く、12回返済後の元金残高は年1.00%の場合より約74,393円多く残ります。

毎月10万円を12回払った結果(仮定・概算)
項目年1.00%が続く年1.25%が続く
12回の支払合計1,200,000円1,200,000円
うち支払利息295,864円370,257円
うち元金返済904,136円829,743円
12回返済後の元金残高29,095,864円29,170,257円
未払利息0円0円

毎月の利息は、その時点の残高から計算します。そのため残高の差は、最初の月の6,250円を単純に12倍した金額とは一致しません。通帳の引落額だけでなく、銀行の新しい返済予定表で、今後の残高推移も見てください。

この12か月の差を、そのまま完済までの追加負担として使うこともできません。その後の金利、返済額の見直し、残り期間などで結果が変わります。次回の返済額を知りたいときは、銀行に残元金・残回数・適用金利を指定した試算を依頼しましょう。

通知が届いたら、利息・元金・見直し日を一緒に確認する

過去の返済予定表と新しいものを手元に置き、どの返済分から何が変わるかを確認します。金利上昇のニュースで見た数字を、自分の適用金利や返済額へ直接当てはめないでください。

銀行への問い合わせに使う5項目
見る項目確認すること質問の例
適用金利自分の借入金利と、その金利で計算する最初の返済分新しい利率は、どの返済分から反映されますか?
元金・利息の内訳毎回の返済額から、それぞれ何円を払うか引落額は同じですが、元金と利息の金額を教えてください
未払利息すでに残っている分と、今後発生する見込みの区別現在の未払利息は何円ですか?返済への充当順序はどうなりますか?
次の返済額変更見直しの基準日、新月額の初回返済日、ルールの対象私の次回見直し日はいつですか?5年・125%の扱いは対象ですか?
残元金と残り回数新しい予定表の残高推移、最終回に残る金額の扱い今の条件が続く場合、最終回に別途支払いが残る見込みはありますか?

未払利息がある、最終回に残高が残ると通知された、次の返済額が家計に収まらないと分かった場合は、借入先へ早めに相談してください。三菱UFJ銀行は、金利情勢等によって最終返済日に未返済残高が生じた場合、原則その日に一括返済すると案内しています。自分の契約の精算方法まで確かめる必要があります。

元金を早く減らそうと、生活費や修繕費まで繰上返済へ回すと、手元資金が不足することがあります。固定金利への変更や借り換えにも、適用金利、費用、手続きや審査の条件があります。まず自分の内訳と残高を確認し、返済後に生活費と予備費が残る家計を確かめてから比較しましょう。ルールの対象や基本は5年ルール・125%ルールの解説、固定期間が終わる人は固定10年終了時の返済額の確認も参照してください。

出典と確認日

情報確認:2026年10月15日。実際の適用条件は、借入時の商品・返済方法に対応する契約書と最新通知で確認してください。

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